植物の葉は基本的に緑色をしていますが、実は一般的な緑色をしていない植物もいることをご存知でしょうか。
中には、葉の裏が紫色をしている植物もいるとされているのですが、その植物の正体について解説していきます。
そもそも植物はなぜ緑色なのか
植物は一般的に緑色の葉の色をしていますが、中には緑色以外の色をしている植物も少なくありません。
そもそも、なぜ植物は緑色をしているのか考えたことはあるでしょうか。
私たち人間の目に植物が緑色に見えるのは、植物が太陽光の反射した際の色として緑を選んでいるからなのですが、実はこの緑色は本来植物が生きていく上では非常に非効率な色とされているのです。
植物は光合成をしますが、光合成をするのに効率の良い色は黒であるのに、緑色は最も非効率とされています。
なぜ、植物は太陽光を反射した際の緑色に選んだのかは定かではないのですが、植物が緑色を選んでくれたおかげで私たち人間も実はその恩恵を受けていると言えるのです。
葉の裏が紫色の植物は?
では、基本的に緑色が主流とされている植物の中でも、葉の裏が紫色の植物の正体とはどんなものなのでしょうか。
その植物は、「トラデスカンチア」と呼ばれる植物で、和名をシマムラサキツユクサという名前のツユクサ科の植物です。
すでに和名に「紫」という言葉が入っているように、表面は白と緑が混ざったような色をしていますが、この植物の葉の裏は紫色をしています。
なぜ葉の裏が紫色をしているかという理由としては、色素であるアントシアニンの含有量が多いせいではないかと思われます。
アントシアニンは、ブルーベリーなどのベリー系の果物などに多く含まれている色素で、高い抗酸化作用があるとされています。
抗酸化作用は、紫外線などの刺激によって体内に活性酸素が増えるのを除去してくれる作用であり、植物も紫外線のダメージに対抗するために多くの抗酸化物質を持っているのですが、アントシアニンはその一つと言えます。
つまり、本来緑色のはずの植物の葉の裏が紫色なのは、抗酸化物質が多く含まれているのが理由と言えるのです。
それ以外の葉の裏が紫色の植物はいるのか
では、前述した植物以外にも葉の裏が紫色の植物はいるのか気になるところです。
葉の裏が紫色をしている植物としては、水前寺菜や熱帯雨林の植物であるカラテアの品種の中には、葉の裏が紫色をしているものが多いとされています。
紫色ではありませんが、ポインセチアなども葉の色が真っ赤で特徴的な色をしていますが、このように植物はそれぞれ自分がどのように生き残るかをかけて、様々な色や形に進化しているのかもしれません。