植物には、木部と師部という部分があるとされていますが、これらの部位はどのよう働きをしているのでしょうか。
また、これらの部位はどのような違いがあり、共通点などがあるのかについても解説していきます。
植物の木部って何?どんな働きをしている?
人間の体のそれぞれの器官にも様々な名前が有り複雑な構造をしているように、植物の体の構造も実は複雑な作りをしており、それぞれに名前がありその役割を果たしています。
では、植物の体の器官の一つである、木部といったいどんなものなのかご存知の人はどれくらいいるでしょうか。
植物には、基本的に根と茎、葉といった構造で出来ていますが、その内部構造として維管束というものがあります。
維管束は土から吸収した水分や養分を、植物の体の隅々にまで運ぶ働きがあるとされています。
実は維管束は、木部と師部という複合組織からできており、木部には植物全体に水を送る道管を始め、木部繊維組織や木部柔組織、仮道管組織などから成り立っている部分でもあります。
師部とはどんなものか
では、維管束の中の師部は植物の体の中でどのような働きをしているのでしょうか。
師部も、木部と同じく維管束を形成する一部であり、複合組織であるとされています。
養分を通して植物全体に栄養を送る役割である師管を始め、師細胞組織、師部繊維組織、師部柔組織などの複数の組織から成り立っている部分とされており、師部要素とも呼ばれています。
名前が異なるということは、それだけ植物の体におけるそれぞれの働きも異なるということになるのです。
木部と師部の違いと共通する部分とは
木部と師部について解説して来ましたが、大きな違いとしてはどんなことだったか理解できたでしょうか。
木部は水や無機養分の通り道として深いかかわりがあり、師部の場合には養分を始め同化産物の通り道であるとされているのが大きな違いと言えます。
逆に、木部と師部で共通する部分とはどんなところにあるのでしょうか。
まず挙げられるのは、一つの器官として存在するのではなく、複合組織として存在しているところは大きな共通点と言えるのではないでしょうか。
その他には、養分や水分を運ぶ役割の他に、機械的支持に特化している組織があったり、物質貯蔵をする組織を共通して持っているというのは共通点と言えるでしょう。
人間の体の構造も非常に複雑ですが、植物も同じく複雑な構造をしていると言えるのではないでしょうか。