生き物の中に毒を持つ種類がいるように、植物の中にも毒を持つ種類がいるとされているのをご存知でしょうか。
植物が持っている毒の種類と、毒を持つ理由について解説していきます。
植物が持つ毒の種類にはどんな種類がある?
ヒョウモンダコやコドモオオトカゲ、蛇など毒を持つ生き物は多く生息していますが、植物にも毒を持つ種類がいることをどれだけの人が知っているのでしょうか。
中には、人が死んでしまうような強い毒を持つ種類の植物もいるとされています。
そこで、植物が持っている毒の種類としてはどんな種類があるのかについて解説していきます。
まず、非常に強い毒の種類を持つ植物としては、ごく少量だけで人を死に至らすとされているコニインという毒です。
このコニインはドクニンジンに含まれる毒の種類とされており、少量の葉っぱや根、種を人間が摂取するだけで中枢神経が侵されて麻痺してやがて死んでしまうとされている、非常に強い毒の種類と言えます。
また、身近な植物としてニラとよく似ているスイセンに含まれる毒も、非常に強い毒の種類とされており摂取後30分以内で吐き気や嘔吐、頭痛などの症状に襲われるので注意が必要です。
その他には、日本三大有毒植物に含まれる、シクトキシンという神経毒を持つドクゼリも非常に危険な毒の種類を持つ植物とされています。
シクトキシンを食べると、特に中枢神経が刺激され吐き気や嘔吐、頭痛などに加えて呼吸障害や腎不全を起こすこともあると言われています。
その他の毒を持つ種類の植物は?
毒を持つ種類の植物はその他にもあるとされていますが、どんな植物なのか気になるところです。
チョウセンアサガオは、麻薬のように麻痺させる毒を持つのが特徴の植物で、ゴボウと間違えて摂取してしまうと口の渇きや嘔吐、呼吸の乱れや意識混濁などの症状に襲われることがあります。
和歌山の事件で一躍有名になったの日本三大有毒植物の一つであるトリカブトも、毒の種類が強い植物とされています。
誤食した場合には死ぬ危険もあるほど毒性が強いとされており、トリカブトに含まれる神経毒であるアコニチンは嘔吐や呼吸困難、心不全を起こすとされています。
加えて、その毒性の速攻性は非常に高く、口に入れて数秒で起こると言われています。
植物が毒を持つ理由
では、なぜ植物は毒を持つのかその理由を考えたことはあるでしょうか。
もちろん、植物の中には毒を持たない種類のものもいるのですが、毒を持つ種類との違いはどんなところにあるのかその理由が気になる人も多いはずです。
その理由として考えられることはいくつかあるとされていますが、まずは動物などに食べられないためにすることが大きな理由なのではないかと思われます。
ただ、その動物が毒のある植物を食べて死ぬことになったとしても、毒があることをその他の同じ動物に伝わったり広がるわけではないので、意味がないとも考えられます。
その他の理由として考えられることは、植物が持つ毒によってある一定の動物が死ぬことにより、生き物の生態系を保っていることも理由の一つと言えるのではないでしょうか。
肉食動物が増えすぎてしまえば草食動物を食べつくしてしまい、結果的に肉食動物が餓死するように、個体数を調節する役目が植物に毒がある理由というのは、少し乱暴な考えでしょうか。
動物の場合、毒がある生き物はそれで自分の身体を守っていますが、案外それと同じ単純な理由で植物たちも毒を身にまとうことで自分たちの体を守っているのかもしれませんね。