植物がどんな要素で育っていくのかを知ることは、これから植物を育てていく人にとっては知っておくべき知識と言えます。
では、植物における肥料の3要素とはいったいどんなことなのでしょうか。
その1:窒素
植物が正常に生育し、成長するためには欠かせない3要素というのがあるのをご存知でしょうか。
実は植物は、水と太陽光、そして二酸化炭素だけあれば育つのではと思われている人もいるかもしれませんが、実はそれだけでは正常に育たないとされています。
植物を正常に生育させるためには、肥料の中で重要な3要素というのが存在するのです。
まず、その一つは窒素です。
窒素は植物細胞の成長を促進するとされており、その中でも葉茎を大きくさせる作用があると言われており「葉肥」とも呼ばれています。
窒素が不足してしまうと、葉っぱが全体的に黄緑色や黄色などの淡い色になるだけでなく、根の発達に影響するので成長が弱まるとされています。
逆に多ければよいのかというとそうでもなく、窒素の量が過剰になり過ぎると枝や根が間延びして伸びやすくなり、植物の体自体が軟弱になることで病害虫に侵されやすくなるリスクが高まるとされています。
その2:リン酸
植物における肥料の3要素の中で大切なのは窒素だけに限りません。
リン酸もまた、植物の生育にとっては必要不可欠な多量要素とされています。
リン酸は、「花肥」あるいは「実肥」とも呼ばれ、花を咲かせて実をつける作用を促進するほかに、苗の発育や根の活性化などにも大きく関わっている栄養素です。
リン酸が不足すると、花の数が減ったり開花が遅れたり、実のつくのが遅くなるだけでなく、根があまり成長しなくなることから植物全体の生育が悪くなるとされています。
リン酸が不足すると、葉の色が濃い緑色や赤紫色になったりするため、葉の色が変わってきたら要注意です。
リン酸の場合には過剰に与えてもあまり影響はないとされていますが、リン酸が不足することでそれ以外の栄養素であるマグネシウムや鉄、亜鉛などの不足を助長することもあります。
その3:カリウム
植物における肥料の3要素の最後は、カリウムです。
カリウムは植物に多く含まれている栄養素ですが、植物の組織を強くして植物の育成を促進する作用があり、日照不足による植物の生長速度が遅くなるのを防ぐ効果もあるとされています。
それだけでなく、「根肥」とも呼ばれ根や茎を丈夫にするほか、病気を始め暑さや寒さに対する抵抗力を高める作用もあるとされています。
カリウムが不足するとどうなるのかというと、葉の先の周りが黄色や茶褐色になるだけでなく斑点ができることもあり、その場合にはすぐに補給してあげるのが良いでしょう。
逆に過剰に与えてしすぎてしまうことでの影響としてはそんなに大きく表れないとされていますが、石灰やマグネシウム、鉄などの栄養素が不足することがあります。
このように、植物には必要不可欠な肥料の3要素というものが存在しますので、これから植物を育てたいと思っている人は、そのことを踏まえた上で始めていくのが良いのではないでしょうか。